旅路の途中、苦しさにも楽しさにも、爽やかに乾杯
オサワイナリー tabi sparkling
小樽といえば北の大地の観光地。ここに素敵な志をもったワイナリーが、2015年に誕生しました。それが「オサワイナリー」。栽培と醸造を自ら手掛けるオーナーは、長(おさ) 直樹さんと真子さんのご夫婦。もともとソムリエやワイン商社の仕事をしながら、いつか自分の理想のワインを造りたいと夢見て来られたお二人。旅先のイタリアで目覚めたワインを造りたいという欲求。その後、最適な土地を求め全国各地を回り出会ったのが小樽でした。
理想のワインは、「もっと身近に、ワインの楽しさを伝えていけるもの」という長さん。まだ理想のワインへの道はまだ道半ばともいいますから、小樽という場所に拠点を構えてもまだ旅路の途中なのかもしれません。でも、すでにワインは祝杯をあげたくなるほど素晴らしい仕上がり。ならばお二人のこれまでとこれからの人生の旅に乾杯したい。ではこのスパークリングワインで祝杯をあげたい。繊細さと溌剌さが、和柑橘の爽やかさ、ほろ苦さと共に体にしみこんでいきます。心と体が疲れているのなら、それがすーっと抜けていく感覚、元気な時ならさらに溌剌に歩みだせそうな気持に。ブドウ品種は「旅路」。この旅路というブドウは小樽が発祥。できすぎといえばできすぎな物語かもしれません。でも、味わってみればこんな気持ちになることでしょう。「私も新しい旅に出たい」。すべての旅路の途中のみなさんと、乾杯。
(取材・文=岩瀬大二)