てくてく日本ワイン旅行

Vol.5 ルミエールワイナリーin笛吹市 〜前編〜

~そのワイナリーは、穏やかな歴史とともに~

今年は天皇陛下生前退位や新元号発布など、新しいづくめの年。

そんな折、見つけたのが「宮内庁御用達」というキーワードでした。様々な分野に存在する「宮内庁御用達」。日本ワインにも、その称号を戴くワイナリーが存在するのです。

それが今回お邪魔したワイナリー、「ルミエール」。

宮内庁御用達だなんて格式の高そうなワイナリーにお邪魔しても大丈夫かな?

なんて恐る恐る訪問してみると・・・そこは1日中日本ワインを堪能できる、ステキな場所でした。

  

~経験と工夫を凝らした、ハイブリットな畑~

さっそく、ワイナリーの核となるぶどう畑に行ってみましょう。一番近い畑は徒歩数歩。

ルミエールワイナリーのぶどう畑は、レストランとショップの建物の目の前なのです。ランチやワインに舌鼓を打ちながらぶどう畑を眺めるのも、ルミエールならではの楽しみ方です。

まずは甲州種の畑です。青々と広がる空に向かって、がっちりとしたぶどうの枝が広がります。

ルミエールワイナリーのぶどう畑は、なだらかな傾斜地にたくさんの種類のぶどうの樹が栽培されています。整然と並ぶぶどうの樹を見ていると、ちょっと気になるものを発見。

「もしかして、ワイン樽?」

そうなのです、ぶどうの樹の名前表記に使用されていたプレートは、ワイン樽を再利用したもの。

ワイン樽には寿命があります。役目を終えたワイン樽をそのまま破棄するのではなく、再利用をすることに驚きました。またこれだけでなく、ワイナリー 内には他にもたくさんの再利用されたワイン樽がありますよ。

そんな「隠れワイン樽」を探すのもワイナリーツアーの醍醐味です。

ワイナリー目前のぶどう畑を登り、上段から眺めるぶどう畑は見上げた時よりもだいぶ印象が変わります。

眼下のぶどう畑、そしてその向こうに広がる甲府盆地の景色と南アルプスの山々は、日本にいる事を忘れさせるほどです。

ここでも気になるものを発見です。どうやら、ぶどうの樹の他に別の植物の樹が植わっているようですが・・・。

「実はこの樹、バラなんですよ」と、ツアーガイドの方が教えてくださいます。

ぶどうの樹の一隅には、バラの木が植えてあります。これは一体何のためでしょうか。

バラの樹は、昔はぶどう達が病気になりやすい環境なのかを知るセンサーだったのです。

ぶどうの樹よりも環境の変化に繊細な植物を一緒に栽培することで、ぶどうの病気を未然に防ぐことができました。

現在は、栽培スタッフのきめ細かい観察などでぶどうを守っているのですが、当時の名残で残っているものが観賞用として楽しまれているようです。

さらに垣根栽培と棚栽培を併用したぶどう栽培、多種多様な苗木から土地に合ったぶどうを選抜します。

自然の助けを上手に借りながら良質なぶどうを生み出す、ルミエールワイナリーならではハイブリットな栽培方法でした。

    

~ワイナリーのパワースポット!?~

畑を抜けると、鳥居が現れました。

えぇ!こんなところに?

この鳥居そしてこの神社は、一体なぜこんなところにあるのでしょうか?

ルミエールの創業家である降矢家のご先祖は、代々この神社の宮司を務めていたそうで、由緒は諸説ありますが、西暦900年代に建立され、後に織田家の戦火で消失されたものの、1600年代に再興されて今も残っているそうです。

周囲の桜は、春になると美しい花をたくさんつけるようで、4月にはお花見ワイン会などのイベントも開催するようですよ。なんだか不思議なパワーをもらえそう。

次回はいよいよ、驚きの地下空間とテイスティングへ!

【ワイナリー情報】

・ルミエールワイナリー

・住所 山梨県笛吹市一宮町南野呂624

・営業時間 9:30〜17:30

・定休日 年末年始のみ

・電話 0553-47-0207

・ワイナリー見学:可(要予約)

・ホームページ http://www.lumiere.jp/